『アイメイト・サポートカレンダー』の撮影は、秋の販売開始に向けて撮影も佳境を迎えてきました。撮影の順番は、背景の季節感でいうと【紅葉】→【雪】→【桜】→【夏の海など】となります。この間に、子犬など特に季節感にこだわらない撮影が挟まります。今回は、『アイメイト・サポートカレンダー』の「桜の風景」のお話です。(内村コースケ/アイメイト・サポートカレンダー撮影担当)

さて、東京都内は今がまさに桜のピークですね。昨日(4/2)、練馬区のアイメイト協会の近くで、歩行指導員による訓練の様子を桜をバックに撮影しました。

「日本の街はごちゃごちゃしていている」「統一感がなく薄っぺらい」「街と田舎の境がない」「どこを見回しても人工物や下世話な看板がある」ー。よく言われることですが、僕も事実だと思います。風景を「切り取る」ことで表現をする写真家としては、それが逆に面白いとは思うのですが、その話はここでは置いておきましょう。

そんな日本の風景でも、ひねくれ者の僕ですら、例外的に文句なく普通に美しいと思うのが桜の季節です。『アイメイト・サポートカレンダー』でも、これまで多くの<桜の風景>を取り上げてきました。

d0323943_12575685.jpg

【2011年 4月・リタイア犬】

d0323943_1335917.jpg

【2012年 4月・不適格犬】

d0323943_1351455.jpg

【2013年 4月・不適格犬】

d0323943_1355716.jpg

【2014年 3月・不適格犬】

d0323943_1371676.jpg

【2014年 4月・リタイア犬】

これまでは、桜をバックに不適格犬・リタイア犬と引き取った奉仕者のご家族との触れ合いをテーマにしてきました。2015年版は、趣向を変えて歩行指導員による訓練風景にしてみました。場所やアングルを変えて4〜5カット撮りましたが、そのうちの一つをご紹介します(これが採用されるかどうかは分かりません)。

d0323943_13171352.jpg


『2015 アイメイト・サポートカレンダー』は、この秋の発売になります。

その他のグッズの売上も、アイメイトの育成のために役立てられます。ぜひ、アイメイトサポートグッズ・オンラインショップをご利用ください。

アイメイト後援会の活動内容や、繁殖奉仕などのボランティア活動については、アイメイト後援会HPをご覧ください。アイメイトの育成は、皆様のご協力によって成り立っています。
[PR]

d0323943_0363346.jpg


『アイメイト・サポートカレンダー』2015年版の撮影は、昨年の秋から始まっています。季節感が要素の一つとなっているカレンダーの撮影は、通年で行われています。

また、ほとんど全ての写真は、このカレンダーのための撮りおろしです。

『アイメイト・サポートカレンダー』では、盲導犬として活躍するアイメイトたちの誕生から子犬時代、訓練・歩行指導中、現役時代、リタイア後、家庭犬としての道といった「アイメイトの一生」の各ステージを写真で表現しています。そして、なるべくリアルタイムな「今の姿」を伝えることが、アイメイトを支援するという目的に最低限必要な「誠実さ」であると私は考えています。

なぜなら、アイメイトは、会社などの特定の利益のために存在するのではなく、視覚障害者福祉という公益のために存在するからです。その支援をする後援会が作るグッズは、社会に向けて誠実でなければいけません。

たとえば、よくある犬のカレンダーのように、ストックフォトなどからの寄せ集めでは、どうしてもテーマ性が希薄になったり、こじつけ的な白々しさが生じてしまいがちです。いつ、誰が、なんのために撮ったか、1枚1枚バラバラでは当然です。そうならないためにも、『アイメイト・サポートカレンダー』は、同じスタッフが毎年、次の年のカレンダーのためだけに撮っています(掲載枚数の関係等で再来年に回すなど、いくつかの例外はあります)。

d0323943_118867.jpg


しかし、その中で子犬というのはちょっと違って、「無条件なかわいさ」で押し通す無垢な力に満ちています。視覚障害者福祉というアイメイトの本筋の部分は、やや固いというか、入りにくいテーマかもしれません。そこに興味を持ってもらう入口として、子犬たちの力を借りるという側面もあります。ですので、子犬の写真は、表紙など目立つ場所に使うことが多く、そのため、ほかのステージよりはドキュメンタリー性よりも純粋な「かわいさ」に振った撮り方が多くなってきます。

そして、今年はその子犬に珍しいことが連続して起きています。子犬は「繁殖奉仕」という繁殖用の母犬を預かるボランティア家庭で生まれます。まず、暮れに「イエロー」「ブラック」「チョコレート」とラブラドールの3色全て揃った5頭が生まれました。

d0323943_1234999.jpg


d0323943_126117.jpg


こんな手のひらサイズだった子たちが、先月(2月)には冒頭の2枚や下の写真のように成長しました。

d0323943_131275.jpg


そして、先日撮影したのは、13頭!の兄弟姉妹。アイメイトの子犬は長年撮影していますが、これまでの最高は11頭でした。もうこうなると犬団子状態ですね。

d0323943_1351365.jpg


d0323943_136552.jpg


おっぱいをあげるお母さんも大変です。

d0323943_1392738.jpg


アイメイトは、この時期に兄弟姉妹、母犬と犬同士のコミュニケーションを取って社会性を身につけます。13頭もいると奉仕者の方は大変だと思いますが、子犬たちにとっては賑やかな毎日が良い社会勉強になることでしょう。

d0323943_1435781.jpg


d0323943_1455929.jpg


『2015 アイメイト・サポートカレンダー』は、この秋の発売になります。

その他のグッズの売上も、アイメイトの育成のために役立てられます。ぜひ、アイメイトサポートグッズ・オンラインショップをご利用ください。

アイメイト後援会の活動内容や、繁殖奉仕などのボランティア活動については、アイメイト後援会HPをご覧ください。アイメイトの育成は、皆様のご協力によって成り立っています。
[PR]
d0323943_055540.jpg

アイメイト後援会の公式カレンダー『アイメイト・サポートカレンダー』の2014年版が発売となりました。アイメイトの一生を、子犬時代から現役〜リタイアまでのステージに分けて追ったカレンダーです。写真撮影を担当させていただいた私の方から、内容を紹介させていただきます。(内村コースケ・写真家)


『アイメイト・サポートカレンダー』は、2010年版からスタートしておかげさまで4年目となりました。アイメイト(アイメイト協会出身の盲導犬)の一生の各シーンを写真に切り取り、「アイメイト」そのものの姿をビジュアルで伝えることをおもな目的にしています。

2010年版からの表紙は、すべて子犬です。アイメイト候補犬は、協会の繁殖犬の母犬を預かるボランティア(繁殖奉仕)家庭で生まれます。こうした写真は、いずれも繁殖奉仕家庭を訪ねて撮影させていただいたものです。
d0323943_119344.jpg

子犬の撮影は大変です。ただでさえ元気に動きまわるうえに、たいてい一度に3頭から10数頭が生まれますから、兄弟姉妹を一枚の絵に収めることだけでも一苦労です。しかも、一頭一頭がかわいく写っているカットとなると奇跡的とも言えます。一方で、過度な演出は避け、たくさん撮った中から「ほどよい瞬間」を選ぶように心がけています。かしこまったポーズや表情よりも、少し崩れたくらいの自然な姿がかわいいと思うからです。

d0323943_13558.jpg

表紙としてパッと人目を引くことと、「自然なシーン」の両立は、なかなかに難しいものです。その中でとてもありがたいのは、アイメイト候補犬ゆえの優秀な血筋です。手のひらに乗るような赤ちゃんの時から、一般の子犬に比べてやはり落ち着いています。「子犬としては」という条件付きですが、アイメイト候補犬は大変に撮りやすいのも事実なのです。

d0323943_1392479.jpg

これも、全員がしっかり並んで正面を向いている写真を目指しがちですが、あえて少し崩れた瞬間を選んでいます。

d0323943_1434239.jpg



【2014年版 中面】

d0323943_1481745.jpg

d0323943_151758.jpg

d0323943_1563661.jpg

『アイメイト・サポートカレンダー』の各月の写真は、アイメイトの一生を以下の5+1のステージに分けて紹介しています。

繁殖・・・繁殖奉仕家庭にいる誕生からの2カ月間
飼育・・・飼育奉仕家庭にいる子犬時代の1年間
訓練・歩行指導・・・アイメイト協会で訓練と歩行指導を受ける期間
現役・・・視覚障害者とともに生活し、アイメイトとして仕事をする期間
リタイア・・・現役を引退し、リタイア犬奉仕家庭で第二の人生を過ごす期間
不適格・・・不適格犬奉仕家庭で過ごす家庭犬として一生

d0323943_28159.jpg

d0323943_2124077.jpg

d0323943_21309.jpg

『アイメイト・サポートカレンダー』が一般的なペットや動物のカレンダーと違う点は、「人」も多く登場していることです。実際の使用者、奉仕家庭のご家族、協会スタッフにモデルになっていただいています。アイメイトの一生は、人とのかかわりそのものですから、当然のことです。

d0323943_2194817.jpg

d0323943_220527.jpg

d0323943_2201742.jpg

撮影は、季節感等を考慮したロケ地で1〜2時間ほどかけて行います。「向こうから笑顔で歩いてきて!」などと色々と注文を出し、ご協力いただきます。ロケ地の選定から後援会スタッフとの共同作業です。現場ではモデルの皆様ご自身からもアイデアを出していただき、絵が完成します。

d0323943_2375173.jpg

d0323943_238216.jpg

d0323943_2381753.jpg

プロカメラマンとしては、アイメイトのことを詳しく知らない一般の方にもアイメイトの姿が正しく伝わるよう、客観的な視点を心がけています。演出なしの実際のシーンそのものであったり、演出する場合も日常の様子に近いシーンになるよう心がけています。演出の部分は、季節感であったり、1カ月間部屋に飾るに耐えるさまざまな面での「まとまり」を出すためのものです。『アイメイト・サポートカレンダー』の写真は、いわば「リアル」をベースにした「フィクション」、つまりセミドキュメンタリーと言えるものなのです。

巻末には、見開きの特集ページがあります。毎年テーマを変え、アイメイトにまつわるさまざまな読み物を掲載しています。今年は「不適格犬」についての特集です。「不適格犬」とは、さまざまな事情によりアイメイトにならずに一般家庭に引き取られ、家庭犬としての道を歩む候補犬のことです。近年、この「不適格」という名称についてネガティブなご意見が目立つようになりましたが、最高の家庭犬であるという事実、そして犬に対して最大の敬意を払い続けているアイメイト協会の姿勢を是非知っていただきたいと思います。

d0323943_2534949.jpg


『アイメイト・サポートカレンダー 2014』は、「アイメイトサポートグッズ・オンラインショップ」で販売中です。収益はアイメイト協会に寄付されます。アイメイト育成のためご協力をお願い致します。


【アイメイト・サポートカレンダー 2014】 価格1,000円

d0323943_055540.jpg

[PR]
d0323943_0545877.jpg


アイメイトやアイメイト候補の子犬の写真を全面に使った「クリアファイル」は『アイメイト・サポートグッズ オンラインショップ』の人気商品の一つです。A4判2枚組で、現在4種類が販売中です。そのうちの『クリアファイル 2枚組 (D)』の1枚に使われているのが、「ドアー」の訓練の様子です。使用者の方がアイメイトに発するコマンドの一つで、「ドアー」と言われたアイメイトは、鼻先で部屋などのドアノブの位置を示します。今回は、こうしたことを教える「訓練」についてのお話です。

(写真・文 / 内村コースケ・写真家、クリアファイル制作担当)


d0323943_171110.jpg


d0323943_1151872.jpg


d0323943_157368.jpg


前回の【イラストミニレター】 上杉一道さんとケビン、マービーの話でも、「不適格犬」という呼び名について書きましたが、アイメイト協会では安易に横文字を使って物事の本質をオブラートに包むようなことはしません。そのため、「訓練」という言葉の印象でビシバシとスパルタ教育を行なっているというふうに思っている方も少なからずいるようです。

しかし、上の3枚の写真の歩行指導員(人間教育を本分と考えるアイメイト協会では、犬の「訓練士」「トレーナー」ではなく、人に対する「歩行指導員」という呼び方をします)の優しい笑顔を見ていただければ分かりますが、「グーッド!」と褒めることの方が圧倒的に多いのです。

これは、協会の歩行指導員が皆、創設者の塩屋賢一氏の哲学を受け継いでいるからです。

「訓練には犬を愛おしむ心を」 塩屋賢一氏が遺した言葉です。

d0323943_1502456.jpg


賢一氏は幼い頃から犬が大好きでした。飼い犬を枕に犬小屋で一緒に寝たり、犬が父親に叱られた時には泣きながら代わりに謝るような、そんな少年でした。そして、戦後復員してすぐ、誰もがその日食べるものにも困っていた時代に全財産をはたいて憧れのシェパード犬を手に入れたほどです。奥様が苦労して手に入れた肉を自分が食べずに、その「アスター」にやってしまうなど、奥様がやきもちを焼くほどの関係だったといいます。

d0323943_1453682.jpg


現在の歩行指導員たちも、皆賢一氏に負けず劣らずの犬好きです。ただし、それはベタベタとした愛情ではありません。将来の視覚障害者との対等なパートナーとして、敬意を払いながらも若い候補犬の良きお姉さん、お兄さんとして愛情深く接している。そういう関係だと私は感じています。そして、教えたいことが良くできた時には心から共に喜び、褒めます。上辺だけの気持ちは犬には伝わらない。見透かされてしまうからです。犬の愛の感覚に対するスルドさは、人間以上だと私は思います。

候補犬たちも、しっぽを振って喜び勇んで訓練に臨みます。「スィット」(座れ)、「ステイ」(待て)などが上手にできた時の得意そうな表情は、見ている者をも幸せにしてくれます。犬全般に言えることですが、特にラブラドール・レトリーバーという犬種は人と一緒に行動し、褒めてもらうことに何よりもの幸せを感じるようです。これは、太古の昔から人と犬が共に暮らし、狩猟などの共同作業をしてきた長い歴史の積み重ねがあるからでしょう。

d0323943_254528.jpg


d0323943_265332.jpg


d0323943_282142.jpg


アイメイトが街を歩いていると、よく「偉いねえ」「賢いねえ」という声が聞こえてきます。しかし、実際には犬だけが偉くて賢いのではなく、パートナーの視覚障害者が覚えた道順をアイメイトに指示したり、交差点の位置や信号の変化を足先の感覚や音で把握して歩行をリードします。アイメイトはその指示に従いながら、時には車が飛び出してきた時には指示に従わずに止まったり、路上の障害物を自主的に避けたりします。アイメイト歩行とは、そうした対等な共同作業なのです。そのため、塩屋賢一氏は「盲人を導く犬」を示す「盲導犬」という呼び名を嫌い、EYE=私・愛・目、MATE=仲間という意味を込めてEYEMATEという呼称を使うようになったのです。

だから、訓練を受ける候補犬たちも、特別に賢かったり偉かったりするわけではありません。本質的には私たちの家庭にいるペットと同じ、愛らしい子供のような存在です。だから、訓練中も隙を見ては歩行指導員のひざにあごを乗せて甘えたりもします。ハーネスをつけて歩き出すとピシっと引き締まった表情になる所が、ちょっと特別な部分でしょうか。

d0323943_2204455.jpg


d0323943_2205495.jpg


時には失敗も。訓練中におしっこをしてしまいました(訓練を終えれば、「ワン・ツー」の号令がなければ排泄をすることはありません)。なんともバツの悪そうな表情がかわいらしいですね。

d0323943_2275324.jpg



【クリアファイル 2枚組 (D)】300円
d0323943_2344073.jpg

[PR]
# by eymategoods | 2013-07-10 02:35 | Goods 文具